浦安音楽ホール

J:COM浦安音楽ホールは、生音の響きを重視し、クラシックを中心とした
音楽を楽しむことができる本格的なコンサートホールです。

ケラス&フレンズ~地中海の風~

 

遠い遠い見知らぬの街の雑踏を行き交う人々…

煌びやかな民族衣装に身を包み、しなやかに踊る男女…

匂い立つような異国情緒に満ちたこの旋律とリズムは、いったいどこの音楽なのだろう—

ケラス&フレンズ~地中海の風~

世界的チェリスト・ジャン=ギアン・ケラスが、気心知れた民族楽器プレイヤーたちと共に贈るアンサンブル「ケラス&フレンズ~地中海の風~」。
その演奏は、古代ペルシャ~中世のトルコ~ギリシャ~そしてクラシックと、歴史も、地域も、ジャンルをも軽々飛び越え、一瞬でめくるめくエキゾチックな世界へとワープさせてくれます。

そんな彼らが、9/24(月・休)浦安音楽ホールに登場。
このページでは、魅力に満ちた彼らの音楽の秘密、そして、国籍・ジャンルを超えたセッションがどのようにして実現したのか、その秘密をお伝えします。

 

時を超える民族楽器と現代の名手が奏でるチェロ

アンサンブルのメンバーは4人。

ペルシャに古くから伝わるパーカッションの名手を父に持ち、
「ダフ」「ザルブ」を自在に操る
ビヤン(左)/ケイヴァン(右)のシェミラーニ兄弟

 

 

 

中世トルコ地域に生まれた弦楽器「リラ」の演奏を軸に、
ジャンルを超えて活躍するソクラティス・シノプロス 

 

 

そして現代クラシック界を代表するチェリスト ジャン=ギアン・ケラス

 

地中海東岸を中心に伝わる民族楽器

ダフ――二千年の時を超えて

紀元前の絵の中にもその姿が確認されている、古くから宗教的な儀式に用いられた、神秘的な背景を持つ打楽器。
木でできたフレームの内側には小さな金属片がたくさんついている。皮を叩くたびに金属片も振動することで独特の重荘な音色が生まれる。

 

 

 

 

 

ザルブ――永い時間の果ての開花

世界中に古代から点在する「ゴブレット・ドラム(足つきコップ型のドラム)」の一種。長く伴奏楽器の地位に甘んじていたが、20世紀に入り奏法が飛躍的に進化し、一気にメインロードに。叩く場所や叩き方で多彩な音色を生み出すことができる。名手である父を受け継ぐシェミラーニ兄弟の繊細な指使いは必見。

 

 

リラ――ビザンティン文化で生まれ、ギリシャに伝わる中世トルコの風

現在のトルコの地に4世紀から15世紀まで続いたビザンティン帝国。そこで9世紀ころまでに生まれ、各国にも伝播した。名前は古代ギリシャの竪琴に由来するが、現代でも伝統的なスタイルの演奏が残っているのがギリシャのクレタ島というのも、歴史の縁を感じずにいられない。弦を弓で奏でるスタイルはヨーロッパにも伝わり、弦楽器の進化に大きな影響を与えたといわれる。

ちなみに、リラを演奏するソクラティス・シノプロスはギリシャのアテネ出身で、ビザンティン文化に伝わる音楽のみならず、ギリシャの農民音楽・ディモティカやクラシック、ジャズまで、奏者として、また作曲・編曲家として様々なアーティストとのコラボレーションを展開しています。

 

 

 

 

そして、異なる文化を持ち、歴史的には度々敵同士ともなったこれらの国々の音楽をつなぎとめる支柱となっているのが、人気・実力ともに世界トップクラスのチェリスト・ジャン=ギアン・ケラスです。昨年も浦安音楽ホールに登場し、驚異的なテクニックと集中力で、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲全6曲、3時間にも及ぶプログラムを一気に弾き切り(もちろん暗譜で!)ファンの度肝を抜きました。

このように、それぞれの分野で活躍する第一線のミュージシャンたちが、それぞれの音楽を持ち寄って高いレベルでアンサンブルしているからこそ、心が躍り、想像力を掻き立てられる魅惑的な音楽が可能になるのです。

 

ケラス&フレンズ誕生秘話

しかし、そもそもどうしてこのように国籍もジャンルも異なるセッションが実現できたのか、そこにはちょっと微笑ましい理由と、ケラスの想いがあります。

4人の出会い

カナダ・モントリオールに生まれたジャン=ギアン・ケラスは、5歳のとき、地中海に面するアフリカの国・アルジェリアに移り住みます。そこで3年を過ごしたのちにフランス・プロヴァンスへと移住、そこでチェロと出会います。そのプロヴァンスでご近所同士だったのが、ペルシャ音楽の名門・シェミラーニ家だったのです。シェミラーニ兄弟とケラスは一緒にサッカーをしていた仲で、ケラスが「生涯変わらない友情」と語る存在です。

20代になり、幼少期を過ごしたアルジェリアで耳にしたエキゾチックな旋律を改めてチェロで演奏してみたいと思ったケラスは、幼馴染であるシェミラーニ兄弟と本格的にセッションを始めます。その後、ソクラティス・シノプロスとの邂逅を経て、4人によるアンサンブルが完成しました。

「ケラス&フレンズ」に込める想い

そんなこのセッションについて、ケラスは「私にとって最も自伝的なプロジェクト」と語ります。この言葉からは、自らのルーツをたどるプロジェクトであると同時に、バロックから21世紀の音楽、果てはダンサーとのコラボまで、異質なもの同士の融合に普遍的な境地を見出そうとするケラスの活動の集大成という意味も込められているのかもしれません。

彼らの演奏はこれまでも世界中の音楽ファンを魅了してきましたが、CD「Thrace~Sunday Morning Sessions」の国内盤も今年6月にリリース。7月にはレコード芸術誌の特選盤に選ばれ、読売新聞にも取り上げられるなどさらに注目が集まっています。

公演に先駆けて、9月22日(日)18時からはシェミラーニ兄弟とシノプロスによるミニ・パフォーマンスが(フライヤーはこちら)、そして当日の開場中・13時40分からはケラス本人によるプレトークが追加決定!!より公演をお楽しみいただけること請け合いです!

浦安音楽ホールは、ケラスが「音楽の魔法を花咲かせる要素が集まった場所」と語る300席の濃密な音響空間。
さあ、4人が誘う時空を超えた音楽の旅に、あなたも出かけてみませんか?

Photos
©Thomas Dorn for harmonia mundi(Queyras & friends)
©Thomas Dorn(Sokratis Sinopoulos,Bijan & keyvan Chemirani)
©御堂義乗(Jean-Guihen Queyras)


「ケラス&フレンズ~地中海の風~」

日時 2018年9月24日(月・休)
   14:00開演(13:30開場)
   13:40からケラス本人によるプレトークがございます。
開場 浦安音楽ホール コンサートホール
料金 全席指定:6,000円
   演奏予定曲目などはこちらをご覧ください>>公演詳細ページ

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  浦安音楽ホール 047-382-3035(受付時間 9:00~21:00 第二・第四火曜日は休館)