キャストリレーインタビュー
第3弾‼ドラベッラ役のお二人です。
8/26(土)ドラベッラ役 依光ひなの
ーーーーーー今回オーディションに応募した動機や理由をお聞かせください。
依光:昨年度末、大学院を修了し新たなスタートを切るにあたり、今後どんな勉強をしたいのか、すべきなのかを修了に向けて考えておりました。また、昨年度藝大在学中に大学院オペラ《Così fan tutte》にて初めて、時間をかけて一本の作品を勉強させていただきました。この経験は大変勉強になり、たくさん得るものがあったと同時に、”今ならもっとこうやって音楽を作れるのではないか”と、反省する点も多く感じておりました。
そんななか、素晴らしい先生方のもとでご指導いただきながら作品に携わらせていただけるこちらの企画のオーディションのお知らせを拝見し、応募させていただきました。参加させていただけること、心より感謝申し上げます。
ーーーーーー座右の銘、好きなこと、好きなもの、自慢できること、苦手なこと、声楽を目指したきっかけ、オペラ歌手になってよかったこと、逆に苦労していること、どんなオペラ歌手になりたい、等々自由にお願いします。
依光:私は高校2年の冬まで、全くオペラに興味がありませんでした。歌うことが好きだったこともあり、何度か声楽を勧められましたが、“内容が難しそうだし、私にはきっと理解できないだろう”と思い込み、なかなか見る所にまで至りませんでした。そんななか、ある日YouTubeのおすすめ欄に”オペラ《トスカ》”の文字が表示され、興味本位で見始めてしまい、、、言葉がわからなくても、心に刺さる音楽のパワーと歌手たちが身体の全てを使って歌い上げる姿に魅了されたことがきっかけとなり、、、すっかりオペラの魅力に取り憑かれてしまいました、、!楽しいことばかりではありませんが、それぞれの音楽性や知識、魅力の引き出しを出し合って、全員で作品を良くするために向き合う時間が本当に尊く、オペラという芸術のもつエネルギーに毎回魅了されています。 私自身が偶然巡り会った《トスカ》に魅せられたように、見てくださる方の心に響く歌を歌える歌い手になりたいです。そして、常に挑戦し続けることに喜びを感じることのできる魅力的な人間になれるよう努力したいです。
ーーーーーーあなたが演じるドラベッラという役についてどのようにお感じになりますか。共感が持てる、わかる気がする、自分とは正反対、持ち役としてずっと歌っていきたい、等々自由にお願いします。
依光:Dorabellaはイタリア語でDorare(金箔をかぶせる)+Bella(美しい)という二つの意味が掛け合わされた名前と言われています。諸説ありますが、私は彼女の名前は“金メッキのようにすぐに剥がれてしまうに、影響を受けやすく偽ることができない性格”と解釈しています。見ず知らずの男性にすぐに乗り換えてしまうこの性格は、反感を買いそうな役ではあるものの、私は彼女がこの作品の誰よりも人間的で、女性が隠し持っている”あざとさ”をもっている思います。だからこそなぜか憎めない、愛くるしいドラベッラを演じていきたいです!
ーーーーーー今回の舞台への意気込み、抱負をお聞かせください。
依光:日本のオペラ界の先頭を走っていらっしゃる先生方のもとで、素晴らしい出演者の皆様とご一緒させていただけること、心より光栄に思うと同時に、大変身の引き締まる思いです!この素晴らしい環境で、音楽だけでなく、新しい自分と巡り合えるよう取り組んで行きたいです。
ーーーーーー最後に、宮本益光さんについてひと言コメントしてください。それこそ自由にお願いします。
依光:藝大の学部生のオペラ実習では益光先生のクラスではなかったため、惜しくも教えていただけるタイミングを失ってしまい、、 その後も大学でお会いできても、”うわぁ、、益光先生だ、、!!!”と心の中で思うことしかできなかったのですが、、笑 リサイタルやコンサートに伺ったり、アルバム《うたうたう》が好きすぎて本当に何度も聞いていた益光先生ファンの私が、MSJという素晴らしい団体で直接ご指導いただけること本当に夢のようです!!!先生から多くのことを吸収できるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願い致します!!
8/27(日)ドラベッラ役 田中沙友里
ーーーーーー今回オーディションに応募した動機や理由をお聞かせください。
田中:ソプラノの田中沙友里です。この度は、MSJ企画のオペラに参加することができ、光栄に思います。今まで、ベルカントオペラをレパートリーとするメゾソプラノとして活動しておりましたが、イタリア留学を期にソプラノに転向しました。昨年、第66期マスタークラスを修了し、二期会会員となりました。
モーツァルトのオペラを舞台で全幕歌った経験がなく、MSJの素晴らしい歌手やピアニストの方々のもとで勉強できる素晴らしい機会でもあり、楽しそうな舞台に私も関わりたいと思い、応募にいたりました。
ーーーーーー座右の銘、好きなこと、好きなもの、自慢できること、苦手なこと、声楽を目指したきっかけ、オペラ歌手になってよかったこと、逆に苦労していること、どんなオペラ歌手になりたい、等々自由にお願いします。
田中:・声楽を目指したきっかけ
幼いころから歌うことが大好きで、中学生の時に専門的に歌を勉強したいと思い紹介していただいたボイストレーナーの先生が声楽の先生でした。「コンコーネやイタリア古典歌曲はすべての歌の基礎」という先生の方針のもとから、『Caro mio ben』を歌い、イタリア語の言葉の響きの美しさ、歌詞の情熱的なところに心惹かれました。当時、ジャンルは違いますが、音楽を聞いて心が救われていた時期でもあったため、音楽を通じ、一人でも喜ばせることができるようになりたいと思い、声楽の道へ行くことを決めました。また、幼いころから演劇やダンスを習っており、舞台で表現することが好きだったのでオペラをやりたく、オペラ歌手を目指しました。
・オペラ歌手になってよかったこと、苦労したこと
よかったことは、いろんな人物を演じることができることです。自分と真反対なキャラクターを演じる時は、どう表現したらいいのか大変に思うこともありますが、新たな自分の一面を知ることができたりするので楽しいと感じます。またオペラは一人でやっていくことができないので、人の大事さや人とのつながりの大切さを実感することもできます。かわいいドレスや素敵な衣装を着る機会も多いので、個人的にはうれしい喜びです(笑)苦労したことは、歌の技術はもちろん、語学や歴史等も勉強しなければならないことがたくさんあるので、いくら時間があっても足りないと思います。しかし、新しいことを学べることは楽しく、気づいたら苦しみが消えていることが多いので、オペラ歌手になってよかったと思うことが多いです。
・座右の銘
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」行動しなければ何も始まらないことが多いことを、年々身に染みて思います。やる気がない時でもこの言葉を思い出し、自分を奮い立たせています。
・どんなオペラ歌手になりたいか
作曲家たちの思いを伝えることができるよう音楽に真摯に向き合い、音楽の魅力を伝えることができる、常に進化し続ける歌手になりたいです。
・好きなもの
KPOPを聞くことです。10年以上、いろんなグループを応援しています。毎日、最新情報や音楽番組をチェックする時間が至福のひと時です。舞台観劇や美術館に行くことも好きで、イタリア留学時は、なるべくたくさんの絵画や舞台を見に行っていました。
ーーーーーーあなたが演じるドラベッラという役についてどのようにお感じになりますか。共感が持てる、わかる気がする、自分とは正反対、持ち役としてずっと歌っていきたい、等々自由にお願いします。
田中:人前で感情表現を豊かに出せるところが、うらやましくもあり、素直でかわいいなぁと思います。 いい意味で切り返しの早いところや姉のフィオルディリージに対する態度は少し自分と似ています。持ち役として歌っていきたいですが、フィオルディリージ・デスピーナのどちらも演じてみたいです。
ーーーーーー今回の舞台への意気込み、抱負をお聞かせください。
田中:音楽の魅力を伝え、舞台を見に来ていただいたお客様に臨場感を味わっていただき、頭に残って離れないような舞台にしたいです。そして私らしいドラベッラを全力で演じ、歌います。お客様全員が笑顔で帰り明日への活力になれるよう頑張ります。
ーーーーーー最後に、宮本益光さんについてひと言コメントしてください。それこそ自由にお願いします。
田中:歌手として尊敬し憧れております。多才で精力的に活動しているお姿は音楽家だけではない方々にも影響を与えているため、声楽界のインフルエンサーと思っております!今まで舞台でしか拝見していなかったので、ご指導を受け、自分がどう変わっていくかも楽しみにしています。